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中東情勢悪化による塗装業界に起きた変化。

なんとも物騒な題名でnoteを書くことになりました。今回は中東情勢における塗装業界の変化について自分が感じている事を書こうとおもいます。

シンナーが怪しい

まずはここから始まりました。自分は建築塗装なので無ければ特に影響受けるのは塗料を薄める為の塗料用シンナーや道具の洗浄に使うラッカーシンナーです。大手塗料メーカーの日本ペイントがシンナー製品の75%値上げというビックリ発表があり、「あれ?これって結構やばくない?」ってなりました。ちなみに塗料用シンナーは16ℓで3,000〜4,000でした。それが7,000円ぐらいに急に上がった事になります。まぁしょうがないかぐらいに思っていたら…。

そもそも入ってこない問題

値上がりするだけならまだしもどうやらこれはシンナー入ってこないんじゃ無いの?って空気感が業界全体に広がり本当に入ってこなくなりました。
そしてホームセンターからもシンナーが消え、本格的にヤバいなって自覚が出てきました。

シンナーだけでは収まらず

それでもまだシンナーだけならなんとかなるかと思っていた矢先、次はマスキングテープなど養生用品、その他塗装工事に使用する副資材が次々と値上がり、そして出荷停止。普段は取引先の販売店が購入するのですがその販売店にメーカーからものが入ってこないのでネットショップで割高で購入したりしました。この時点でもかなり危ない状況なんですが更に…

塗料自体が入ってこない

まずは錆止めから始まりました。エポキシ樹脂系のものが生産が追いつかず次第に溶剤シーラーも注文してから入ってくるまでに時間がかかるようになりそして完全に止まりました。止まる前に注文してた物もキャンセルになりました。
錆止めは鉄部の下塗り、溶剤シーラーは主に屋根の下塗りに使うものでこれがないと屋根が塗れなくなります。溶剤系の上塗り塗料も主材はあるけど硬化剤がないなど通常時では考えられない事態に陥りパニック状態。そしてついには水性も含む下塗材全てがほとんどのメーカー(多分全メーカー)発注停止。シーリングも停止。防水材も停止。すごい事になってしまいました。

経産省の目詰まり発言

正直言ってどうでもいいですね。目詰まりを解消出来た所で根本が解決しないとなかなか元には戻らないと思う。根本とは?そりゃアメリカとイランの関係でしょう。もちろんそれだけではないですが。ではどうなれば元に戻るといえるのか?

中東情勢以前の塗料の仕入れ状況

基本的には平日午前に発注したら当日出荷。翌日納品。近年は運送業の働き方改革で中1日かかる事もありましたがそれでもどんなに遅くても金曜日に頼めば翌週の火曜日には届く状況でした。

現在の塗料の仕入れ状況

今1番頑張っているエスケー化研で水性上塗り塗料で1週間。溶剤系上塗り塗料で2週間程度。主要下塗り材に関しては現時点で出荷停止。その他のメーカーは基本的に納期未定。1カ月待っても届かなかったりします。下塗材だけでなく上塗り材ですら発注停止のメーカーもあります。

工期設定の影響

今までの塗装工事は見積り→契約→工期設定→色決め→材料発注→工事開始という流れでしたが塗料がいつ入ってくるかわからない現状だと
見積り→契約→色決め→材料発注→材料納品→工期設定→工事開始という流れに変化してます。よって契約の段階では工期の設定が出来ずいつ着工出来るかわからないのが現状です。
これによって他の物件との兼合いが難しくなりスムーズで隙間が出ない工事の段取りが出来なくなります。

塗料の無駄な発注が増える

例えば外壁が150㎡とします。塗料1缶で40〜60㎡塗れるとします。中間の50㎡塗れる計算で3缶頼みます。下地によって塗装可能面積は変わります(必要塗布量が変わる)ので足りたらOK。足りなかったら追加すればいいだけでした。
それが現状だと足りなかったら追加注文した塗料の納期に最低1週間以上かかるので工期が遅れます。そして基本的に塗り重ねは7日以内にしなければ密着力の低下を起こしますので塗膜の剥離などの不具合が起こる可能性が高くなります。よって足りなかったら追加すればいいが通用しなくなるので最初から確実に注文しておく必要があります。ですが先ほども言った通り下地によって必要量が変化しますので150㎡の面積を塗るのに4缶必要な家もあれば3缶で済む家もあります。窯業系サイディングの種類だけでも多種多様なので必要数を1キロ単位で正確に見分ける事は困難なので結果、1缶丸々残ってしまう事も確実に増えます。この事実はお金を払うお客様、材料を頼む塗装店の双方にとってマイナスでしかありません。

余った塗料の行方

余った塗料は次に使いまわせる物もあります。下塗り製品は過度にロットが過ぎてなくて適切に保存していれば次の現場にそのままスライドすればいいです。
しかし、上塗り塗料はそうもいかないです。最終の仕上がりの色なのでお客様によって仕上げの希望色が変わるからです。白っぽい色を希望する人に黒なら余ってるんで使わせてくださいと言っても断られるしそんな事言いたくないですよね。なので余った上塗り塗料は基本廃棄します。近年はフリマサイトに出品する人もいますが売れなければ結局廃棄するしかなくなります。そもそも新品とはいえフリマサイトで購入した塗料で自分の家を塗られるのは品質に問題なかったとしても抵抗がある方が多いのではないでしょうか?まぁこの話は今回は置いておきます。

廃棄で発生する事

ますば産廃処理代が掛かります。自分はドラム缶に余った塗料を流して満タンになったら産廃処理業者に引き取ってもらってます。金額はドラム缶1本で35,000円ぐらいです。処理業者に頼むと適切に処理してもらえますが環境負担が0ではないと思います。燃やすにしても、埋めるにしても地球環境に負担が掛かる事は間違い無いでしょう。それより酷いのは不法投棄です。こういう事をする塗装業者は確実に存在します。そういう業者の特徴はある程度あるのですがここでは言わないようにします。実際そういう話をたまに聞きます。不法投棄は犯罪なんでダメですが適切に処理したとしても環境負担がかかるのでなるべくロスの出ないようにするべきなんですが…。難しいですね。

他国同士の争い事は自分たちではどうしようもないけど

このような状況になった事はもうしょうがないです。こればっかりはどうする事もできません。自分ははっきり言うと政治には全く興味ないです。政治家に文句を言う人も正直苦手です。そんな暇があったら庭の草むしりしたり筋トレした方がよっぽど有意義だと思ってます。なので今更トランプだとかネタニヤフだとかどうでもいいです。大事なのはこの状況をどう乗り越えて、そしてナフサショック以前に戻して行くか考えて実行してゆく事だと思ってます。どうしようもない状況ですがこれを書いている現在(5/20)塗料によっては1週間かからず納品してくれるメーカーも出てきてシーリングも段々出るようになってきました。ということは製品は作れているんです。

結局の所自分たちの責任でもある

今回起こった塗料不足の原因のひとつに施工店側の買い溜めがあると思います。シンナーや塗料が買えなければ仕事ができなくなるわけですからしょうがないし実際自分もシンナーや下塗り塗料、副資材をある程度買い込みました。同じ考えの人たちが全国で一斉に材料注文をすることでメーカー工場がパンクしてしまってそれの処理にかなり時間が掛かってしまった。4月は1日の受注数が平常時の3〜5倍あったと聞きました。それが5月になりメーカーが頑張ってある程度捌いて出荷制限をかけたりで受注量を減らす事が出来たからどんどん改善に向かっているのでしょう。そこはメーカーの方に本当に感謝です。本当に頑張ってもらったと思います。ここから自分達が意識していかないといけない事は過度な買い溜めはしない事だと思います。不安なのはわかるけど皆んながそうしてしまった結果こんな事になってしまっていると思っています。自分達だけが助かったらいいという考えは結果、自分達の業界全体の衰退を招きかねないと思います。

最後に

今回の問題は塗装を仕事にしている自分にはダイレクトに影響が来たのでかなり焦りました。TVやニュース番組などの影響もあって色んな方に心配されましたが今の所なんとかなってます。まだ問題は終わった訳では無いですが改善傾向にあると感じています。その改善されつつある現状を邪魔しないように自分自身は必要の無い買い溜めを行う事はやめます。皆さんもやめましょ。都度発注でいいじゃない。そうすれば元にもどるよ。だって塗料は作れてるんだから。ここまで戻してくれたメーカーさんや自分達の業界の為にも。

そして、今までの当たり前だった事に感謝して、1日でも早く仕事が出来なくなるかもという不安から解放されるように願い、自分は変わらず仕事に励んでひとつひとつ「じっくり確実に、しっかり無駄なく」お客様の大切な家を塗装していきたいと思います。

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